気象・自然現象や言い伝えから天気を予測する
突然の雨や天候の悪化に見舞われることも多いキャンプ。緊急時に落ち着いて対応できるよう空から天気を予測する力を身につけておくと便利です。
雲の種類や自然現象など様々なパターンから雨を予測する方法や、大昔からの語り継がれている天気にまつわる言い伝えもご紹介します。
天気が読める雲パターン
「うろこ雲が出たら3日のうちに雨」、「ひつじ雲が出ると翌日雨」というような、雲の形状を悪天の予兆とすることわざは沢山あります。これは7割くらいは当たっていると気象予報士の方もおっしゃっています。
気象庁の発表する天気予報の的中率が8割なので、雲読みもかなりの高確率であるといえます。
雨雲、乱層雲
低い位置の空全体を覆う、灰色の雲。雨雲または雪雲と呼ばれ、雨や雪をもたらす典型的な雲。
巻積雲(うろこ雲)
巻積雲は、上空高いところに出現する秋を象徴する美しく純白のうろこ状の雲です。空気が乱れている状態で発生するため天候悪化の前兆を示します。
少ない巻積雲が短時間で全空を覆うようになったり、塊が大きくなって低くなってきたら悪化の兆しです。
ひつじ雲より高い位置に出現し、雲の影はありません。
高積雲(ひつじ雲)
ひつじ雲はうろこ雲のひとつひとつの雲の塊が大きくなり、雲の底が影ができている状態です。巻積雲と同様に、空気の状態が乱れているときに現れるので、雲が広がっていくときは要注意です。
うろこ雲より低い位置に出現し、雲の影があります。
うろこ雲とひつじ雲の見分け方
うろこ雲とひつじ雲は発生する高さが異なりますので、地上にいる私たちからの距離も異なってきます。
雲の大きさで判断することが可能です。
手を空に伸ばして、小指または人差し指を1本立てます。
雲の塊が小指に隠れた場合は、上空高いところにできる うろこ雲の可能性が高くなります。
一方、雲の塊が人差し指の幅からはみ出してしまう場合は、ひつじ雲ということになります。
レンズ雲(笠雲)
レンズ雲は上空の風が強いときに現れます。レンズの形をしており輪郭がはっきりしています。
上空に強い風と湿った空気があることから悪天候の前兆と言われています。
山の上にこの雲ができるときは笠雲と呼ばれ、やはり強風や悪天の兆しとされます。
最も危険な積乱雲
いわゆる「入道雲」。夏に多く発生し、夕立や雷をもたらします。
夏の強い日差しによって、地面付近の湿った空気がすごい勢いで上昇して雲になるため発生します。
この状態を「大気の状態が不安定」と言います
積雲が大気の不安定な状態で上空にどんどん成長(高さ10kmを越えることも)して、上部が氷点下の高いエリアに達して積乱雲になると、落雷や大雨・突風・ひょう等の激しい気象現象をもたらします。
もっとも危険な雲です。入道雲が次々と発達していくときは安全な場所への避難を検討してください。
かなこと雲
積乱雲が最高潮に発達した状態。頂上部分が広がって平らになっている雲。金属加工を行う作業台の金床(かなとこ)に似ていることから名付けられました。
かなとこ雲が出現すると、激しい雨や雷、竜巻や突風、ひょう等をもらたす可能性があります。
落雷の危険性があるので、早く避難しましょう。
天気が読める気象現象
今はスマホで雨雲レーダーがチェックできるますが、キャンプ場上空の現象から天気が読めたら便利ですよね!自然からのサインは必ずありますので、ぜひ空を見てみてください。
飛行機雲が長く残ったら
飛行機が飛んだ後にできた雲がすぐ消えた時は明日も良い天気になるのですが、長く残っている場合は雨のサインです。
低気圧が接近すると、地上よりも上空の高い所から湿った空気に覆われ始めます。そのため、上空が高いところが湿ってきて、飛行機雲が長く残ると雨が近づいているサインととらえることができます。
太陽や月に輪がかかったら
太陽の周りに輪ができる「ハロ現象」
低気圧や前線が接近している証拠と言われており、天気が崩れる前兆となのです。
そのため、昔から「太陽が傘をかぶると雨が降る」という言い伝えもあります。
松ぼっくりが閉じたら
松ぼっくりは、湿度が高いと閉じ、乾燥すると開く性質がありますので、自然の湿度計として利用できます。
松ぼっくりの中には種があり、雨の日に種を落としても遠くまで飛ばないため、水分を含むと松ぼっくりは閉じて種が外に落ちないようになります。
落ちた松ぼっくりも湿度によって開閉します!
天気にまつわる言い伝え
天気にまつわる昔からの言い伝えやことわざが全国に残されています。
天気予報がなかった時代に、人々は空の色や風向き、動物の様子などから天気を予測し、生活に役立てていました。このようなことわざは「天気俚諺(てんきりげん)」と呼ばれ、気象学の見地からは説明のつかないものがほとんどですが、現代でも参考になることがあります。
ツバメが低く飛んだら雨
ツバメのエサは、ハエや蚊、ハチといった、羽がある飛んでいる虫です。雨が近づき、空気中の水分が増え湿度が上がるとこれらの虫の羽が重くなるため、滞空する高度も下がり、それを捕食するツバメも低く飛ぶ、と考えられ、「ツバメが低く飛ぶと雨」ということわざになったのです。
カエルが鳴くと雨
カエルの皮膚呼吸と関係しているといわれいます。
カエルは、肺呼吸のほかに皮膚呼吸もしており、全呼吸の30~50%を皮膚呼吸で補っています。
雨の前の湿度の高い状態では、皮膚から二酸化炭素を排出し、酸素を取り入れるガス交換がうまく機能するため、皮膚呼吸のためにたくさん鳴くと言われています。
また、カエルの皮膚は気温の暖かさや空気中の水分を感知できるため、空気中の水分が多くなると鳴き始めるという説もあります。
トンボが低く飛ぶと雨
「ツバメが低く飛ぶ時は雨」と類似することわざです。
トンボの成虫のエサは、空を飛んでいるハエや蚊、ガやチョウです。ツバメと同様に、雨の日はそれらのエサとなる虫が低く飛ぶため、トンボも低く飛ぶと考えられています。
空が読めたら、もうプロキャンパー!?
今やスマホで雨雲レーダーなどが見れる時代ですが、キャンプファンならあえて自然現象から空を読んでみませんか?
自然と向き合い知識を深めるというのも、世界を生き抜く力になります。
次回のキャンプではいつもより空を眺めてみませんか?